マニアック香港 & 深セン

ここ何年もずっと低金利の日本では考えられないことですが、香港に住んでいると年利で5％以上なんていう投資話がゴロゴロと聞こえてきます。中には10%以上、20%とか言っちゃうものもある。

まぁ、人民元建てで定期預金にするだけで香港内でも3%くらいの金利が付くので、もうちょっとリスクを取った商品なら5%くらいは納得できる範囲なのですが、コレが結構怪しいというか微妙な話も多いので投資の前にはよく考えた方良いよな～と思った話です。

金利が高いということはリスクが高いということ

美味しい話を聞いた際に必ず思い出したいのが、金利（リターン）が大きいということはそれだけリスクが大きいということです。

リスクが無くて金利が高いなんて商品は普通有りません。
「金融都市香港だから」とか「口コミだけの商品だから」なんて話は、よっぽど凄い人脈でも持ってない限りないわけで、ましてや向こうから売り込んでくるなんてことは絶対無いです。っていうか普通に駐在とかで暮らしてたり、日本在住で投資目的で香港に旅行しに来たとかで出会えることは皆無だと思います。

ちょっと考えれば分かりますが、そんな好条件の話があったら僕たちみたいな一般人に来る前に大口の投資家やお金持ちの人に行きます。何のコネもないのに海外だからってそんな話があるわけ無いですよね～。

日本でちょっと小金を持ってるくらいとか世界では全然お金持ちじゃないですし(T T)

最近流行の不動産関連もしかり。

事業の成功の可能性が高く、しかも高配当なんて話だったら、僕が経営者ならまず最初に銀行にお金を借りに行きます。その方が低金利なので最終的な利益もGood。それをせずに一般の投資家に高い配当を払って広告などの手間を掛けてまで資金を集めるってことは、それなりに理由があるということです

そのことを理解した上でリスクを取って高いリターンを期待するのなら全く問題有りませんが、香港辺りで日本人相手に投資商品を売っている業者の一部には、そこをちゃんと説明しない業者が居るので注意が必要です。

某社の投資商品のアレレな話

先日典型的にアレレな話を聞いたので・・・

その商品、最初の説明では商品は金利は年率8％固定、万が一の時も元本は投資対象国の政府が保証してくれるので安心、しかも200万円くらいから投資できるという至れり尽くせりの内容だったのですよ。

そんなの有ったら誰でも買うわ！ってくらい（笑）

で、さすがにおかしいと思ったので、履歴を残すべく改めてメールで問い合わせたら、「政府の保証の件は他の商品との勘違いでした」「でも、金利の保証は間違い有りません」と早くも修正。保証については、たぶん間違いだろうと思っていたのでいいのですが次が酷い。

保証が無くても固定金利で８％ってなかなか良いように見えるわけですが、これもちょっと気になったので3回ほど問い合わせし、本国でのファンドの目論見書もチェック。そしたらですね・・・

最終的に金利は保証するけど元本は保証じゃないって話なんですよ。
しかも、このことが明らかになったのは親ファンドの目論見書を自分でネットで探して、それとの矛盾を指摘したらようやくって感じで。しかもご丁寧に日本向けにファンドの名前を変えてあり、日本向けのファンドの目論見書がないという（笑）

ファンドでは元本保証でないことは普通なので最初からそう説明すれば良いと思うのですが、最初は固定金利の部分だけを強調して散々聞かれたらやっと元本の話をするってのはフェアじゃないと思うんですよね～。これ日本だったらきっと問題になりますよね。っていうか、この商品日本でも売ってるらしいので、近い将来問題になる気が・・・

しかも本国のファンドの掲示板チェックしたら、配当支払いの件で荒れてるし（笑）

海外だから良いってことはないし、困ることもある

僕も純真だった頃は「海外には日本では出会えない魅力的な商品がたくさん有るんだ」とか思ってました。いや、嘘です1ミリも思ってません（笑）

規制の関係で日本では買えない商品とかはあると思いますが、リスクとリターンのバランスを考えたときに、極端にバランスを欠いた商品というのはあり得ません。いや、有ったとしても僕の所に売り込みに来ることはない。

香港で普通に出会える人民元建ての高金利預金でも、日本円ベースから見れば為替リスクを取っていることになるので、高金利な分をバランスしていると言うことです。

また、仮に魅力的に見える商品であっても、もしなんかあったときに自分でなんとかできるかを考えた方が良いと思います。

たとえば中東辺りのファンドとか。
仲介業者が最後まできっちり面倒を見てくれる保証はどこにもありません。仲介業者がケツをまくって「あとはご自分で対処してください」となったらどうしますか？得てして元のファンドに問題があったときにケツをまくられるのでより大変なのですが、そういうリスクも含めて高金利であると考えた方が良いのではないでしょうか。

投資の基本は「分からないものには投資しない」です。
行ったこともない第三国のファンドとか。。。ねぇ。

ちなみにそういった話ではなく香港で買えるのは人民元建ての債券とかで６％くらいかな～。比較的大手の会社とはいえ事業リスクと為替リスクの両方を取ってそれくらい。

それか中国に現金を不法に持ち込んで定期にすれば４％くらいでしょうか。一応元本保証ですが、保証の親玉が中国政府ですから１％の金利差だったら香港のオフショア人民元にしておいた方が（笑）

あと、中国に1000万円くらい持ち込んでVIPアカウントになれば、最近話題の地下金融がらみの高金利預金のお誘いが来るとかいう話もありますが・・・。それはそれで・・・。

まとめ

僕は香港で日本人向けにアレコレされているファンドの全てを知ってるわけでもないですし話を聞いたわけでもないので良い悪いの判断はできませんが、ただ確かなのはリターンが高いものには必ず相応するリスクがあるということです。

香港にいるといろんな投資話がありますが、最初にきちんとこの辺を説明するかどうかで、業者の信頼度をある程度判断できるように思います。

ちなみにですね、僕は結局、アレコレ聞いたけど最終的に普通に大手企業の社債だけ買ってます。これだけでもほったらかしで７％くらいの金利が付くので、まぁ、いいかなと。

1億円くらい有ったら金利だけで暮らせるのですが、もちろん持ってないのでまだまだ働きます（笑）