2014年度版 香港起業&投資ビザ取得の現状
当サイトの人気記事の一つに「香港に自分で会社を作って就労ビザを取得するには?」があるわけですが、あちらに書いたとおり、僕は香港で起業してその会社のオーナーとして投資ビザを所得して暮らしています。
新規事業展開、税金対策、海外で自分の力を試したいなど理由は皆さん様々ながら、こういった形に興味がある方が多いらしく、毎月たくさんのご相談をいただいています。
で、お聞きしている限り、僕がビザを取ったときとはだいぶん状況が変わっているようなので、 2014年度版としてその辺りをまとめておきたいと思います。
香港起業・ビザご検討中の方は是非ご一読くださいませ。
香港でのビジネスプランがなければ話にならない
これは以前も同様ですが、「なんとなく海外で起業したい」とか「税金対策だけが目的で、香港でビジネスをするつもりはない」という状況では、どこのビザサポート会社でも門前払いされてしまいます。
これは当たり前の話で、香港政府としては本来入れる必要のない外国人に対して特別に許可をだして就労・投資ビザを発行するわけですから何をするか分からない人は相手にされませんよね。。。
なので、最低限、どんなビジネスをするのか明確なプランが必要です。
書類はサポート会社が作ってくれるので立派な書類は必要ないですが、他人にわかりやすく事業内容を説明できるだけの資料の提出は必要です。
経験と実績が厳しく問われます
上記のビジネスプランに対してビザ取得者がどのように貢献するのか、どのような技術や知識、経験を持っているのか厳しく問われるようです。
なので、日本で未経験の事業を香港で始める!というのは現状厳しいと言わざるを得ません。
具体的に行けそうなのはこんな感じ
- 日本で同様の事業を●年やってました。事業拡大を目指して香港に進出したいです
- 日本でその事業に対する資格を持っており経験もあります。香港で同様の仕事をします。
逆に厳しいのはこんな感じ
- 日本で●●の仕事をしてました。今回独立して香港で起業したいです(香港での事業経験および資格などの裏付け無し)
- その事業に対する経験はないけど、日本で他の方が成功しているモデルなので香港でやってみたい。
裏話的には。。。
現在、香港で駐在員などをしていてすでにビザを持っている場合は若干緩いかもって話があります。これはビザ的には新規ではなくスポンサーチェンジとなるためで、全くの新規よりは取りやすいみたいです。
本気で香港でビジネス展開しますか?
最近目をつけられているのがネット関連のビジネスの場合。
僕もネット関連なのでよく分かりますが、ネットビジネスで儲かると利益率がとっても高いので税金対策したくなるんですよね~。それで税金の安い香港へと(笑)
そういった人がたくさん香港に来ているのが若干問題になっているようで、香港で本気でビジネスを展開して、香港人を雇用する気があるのかを厳しく問われるようです。特にネット関連・・・。いや、ホントに申し訳ない。。。
具体的にはオフィスの賃貸と香港人の雇用。
この辺り、起業時には「予定」でイケルこともあるのですが(僕は予定で行きましたw)、最近の例では1年後のビザ更新に条件をつけられるということも起こっているようです(1年後にオフィスや雇用がなければビザが延長できない)。
お金持ちなら投資移民もイケル!
税金対策が必要なくらいお金持ちな方なら、1.3億円程度を香港政府が指定する金融商品に投資すれば投資移民としてビザの取得が可能です。
投資移民であれば面倒な会社設立及び年度会計処理も必要ないですし、たまに働きたくなったら労働も自由に出来ます。要はお金で自由が買えると(笑)
僕もいつかそんな風になってみたいです。。。
最後は気合いと情熱
と、厳しい現状を書いてみましたが、僕は最後は気合いと情熱だと思っています。僕がビザ取ったときも周りの人はほぼ「いや、そりゃ無理だろ」といってましたし(笑)
ビザ取得サポート会社に関していえば、彼らの報酬体型は成功報酬ではなく書類を出した時点で課金となっています、このためビザが取れても取れなくてもきっちり請求はされるわけで、一見、彼らは数をこなした方が良いように思えます。
ではなぜ断られるのか・・・?
彼らは香港政府から「このサポート会社はいい加減な案件ばかりを持ってくる」と思われて信頼度が下がることを恐れており、ビザ取得が失敗しそうな案件はリスクが高いのでやりたくないと思っています。
やればお金が入るけど、失敗したら政府に睨まれる・・・
という彼らの気持ちを考えたとき、最後に物をいうのは「僕はどうしても香港でこの事業を成功させたいんです!何とか力を貸してください。」という情熱と気合いではないかと。
もちろん気合いだけ空回りしているようでは誰も相手にしてくれないのでビジネスプランをしっかり考えねばなりませんが、ちょっと厳しいことをいわれた程度で引き下がるくらいだとダメだということです。
僕は自分の会社にしてもうすぐ2年ですが、海外で自分の会社を廻すのは日本でやるのの何倍もめんどくさいです。なので、最初に厳しいことを言われたくらいで引き下がる程度ならやめておいた方が良いとも思います。
ってことで、まとめると必要なのは3つ!
- 明確なビジネスプラン
- 実績・経験・資格のどれか
- 気合いと情熱
補足:会社設立とビザ取得
時々混同している方がいらっしゃるので。
会社設立とビザの取得は全く別の物です。
会社設立は香港の中に法人を作ることのみを指し、香港の場合、これは日本人でも簡単にできます。それこそパスポートといくつかの書類があれば1週間で可能。
単に税金対策で売り上げを香港につけたいだけなら法人だけ作れば・・・。いや、実際は事業の運営実態とかいろいろあるので、安易には進めませんが(笑)
一方、就労・投資ビザ取得とは、香港国籍ではない人が香港に居住する資格を手に入れることです。これがあれば香港IDをゲットして正式に香港に住むことが出来ます。また、就労して給料を得ることも可能。
実は香港に来る日本人の場合は90日まで観光ビザで滞在が可能です。
このため、就労・投資ビザをもって無くても90日に1回、電車で深セン・船でカマオに出ればずーと香港に滞在することは可能だったりします。
香港はIDカード社会なのでいろいろ面倒ですが、就労・投資ビザが無くても住むこと自体は可能だったりします。
補足:税金対策と日本非居住者
税金対策で香港への移住を考える場合、気になるのはどうしたら日本の非居住者になれるか(つまりどうしたら日本で課税されないか)ということではないかと。
この辺り、実は明確な基準が無くて税務署の判断次第。
一般的には、183日以上日本に居住していない、住民票が無い、日本に自宅がない、など言われていますが、どれも「これさえ満たせばOK」というわけでは無さそうです。
僕の場合、以下の条件で税務署に問い合わせをして、確定申告の必要はないとの回答をもらっているので参考に書いておきます。
- 1年間の大半は香港・中国にいる
- 日本への帰国はトータル1か月あるかないか
- 香港に自分の法人があり、そこから香港で給料をもらっている
- 住民票は抹消済み
- 妻は日本に住んでおり自宅もある
補足:僕は専門家じゃない
などなど偉そうに書いてみましたが、僕はビザサポートの仕事をしているわけではなくて、あくまでいろいろご相談にのっっているなかでビザサポート会社の友人から状況を教えてもらったりしているだけです。
中には1面的な見方も含まれていると思いますので、いろいろな方の話を聞いてみると良いのではないかと思います。
ってなかんじで参考になれば幸いです!
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