マニアック香港 & 深セン

え～、1年前に馬鞍山に引っ越してきた僕ですが、この度、大家さんから退去を命ぜられまして引っ越すことになりました。また近所に引っ越すんだけど(笑）

そこでこの機会に以前からリクエスト頂いていた香港でアパートやマンションを賃貸で借りるコツを纏めておきたいと思います。なお、深センの時にも書きましたが僕は不動産関連の人ではないので３回部屋捜しをした際に学んだことを中心に纏めます。間違いなど有りましたらコメント欄でご指摘下さいませ～

• 深センでアパート・マンションを借りるコツ

サービスアパートメントと一般のマンション

日本人が香港で賃貸する部屋には大きく分けて以下の二つがあります。

• サービスアパートメント
• 一般のマンション

サービスアパートメントは、アパートをまるごと1つの会社が所有・管理しており、部屋を貸すほかに電気や水道料金が込みだったり、フロントで様々なサービスを提供してくれたりします。

また、ルームクリーニングや洗濯のサービスとかもあったりするので家事も人任せでOK（笑）

イメージ的には長期滞在型のホテルみたいな感じですね。

• 以前住んでたホンハムのハーバービューホライズンとか

一方、一般のマンションの場合は個々の部屋ごとにオーナーがいて、そのオーナーと直接契約を結ぶことになります。

多くの場合、水道や電気、ガスの契約から支払いまで全て自分でやらなければいけない他、トラブル時の大家さんとの交渉も自力でやる必要があります（日系の不動産会社なら手伝ってくれるのかな？）

なので、初めて香港に来て右も左も分からないという方はサービスアパートメントを選んだ方がいろいろラクチンです。また、日系会社の駐在で家賃その他が会社持ちなら様々なサービスがインクルードされている方が会社のお金で楽できます(笑）

一方、現地採用で自分の財布から家賃を払う場合や、ある程度自力で交渉をこなせる方なら一般のアパートの方が総じて家賃が安いですし、物件の選択の幅も広いので面白いとは思います。

僕は最初に香港に赴任した際はサーバスアパートメント、その後引っ越して一般のアパートに住んでいます。

日系不動産会社 or ローカル不動産会社

香港にもたくさんの日系不動産会社があります。
総じて言えることは「日系を通すと家賃は高め、その代わり大家さんを含めてサービスは良い」ということです。これはまぁ当たり前の話で、大家さん的には高い家賃を払ってくれるなら少々サービスしたってOKってことです。

これは僕の印象ですが5～10%くらい家賃が違うと思う。

日本の会社の駐在で来る方なら家賃は会社持ちでしょうから、ここは遠慮無くサービスの良い方を選ぶべきだと思います。一方、自腹なら自力か香港人の友人の力を借りてでもローカル不動産会社をオススメします。

家賃は毎月の大きな出費なので自腹だとキツイですよ・・・

なお、日系不動産会社の特徴は以下の通り

• 日本語が通じる
• 日本人が多く住んでいる物件に詳しい
• 家賃は総じて相場より高い

現地不動産会社の特徴は以下の通り

• 日本語は通じないけど英語ならいける
• 個々の不動産会社の情報は少ないけど、会社の数が多い
• 家賃は総じて日系より安い

一度見た部屋は不動産会社の縄張りになる

不動産会社に相談に行くと、すぐに「じゃ、部屋を見に行きましょう」といって現地に連れて行かれます。

これにはワケがあって、不動産会社は先に連れて行ったモノ勝ちなのです。

どういうことかというと、たとえば僕がAという不動産会社にBマンションのC室に連れて行かれたとします。すると、僕とこの部屋に関する交渉権はA社のみが持つことになり、他社と交渉することは基本的に出来ません。

連れて行った時点で縄張りになるということですね。

部屋を見たあとで、契約するわけでもないのになにやら書類にサインさせられるのはこのためです。

家賃交渉は可能なのか？

サービスアパート以外の一般的なマンションでは、個々の部屋ごとにオーナーがいて、全ての交渉ごとがオーナー次第となっています。

このため交渉への対応、サービスなども千差万別。
家具が全部付いている部屋もあれば、全然無い部屋もある。

アレコレ聞いた感じだと家賃に対しては最初の提示額に対して５～１０％程度は交渉可能。また、部屋の設備などに関しても若干は交渉可能ですが、とりあえずでも動く・使えるものを古いから換えて欲しいという要望はほとんど通ったことがないです。

壊れたら取り替えるよって感じで。。。
また、新たに設備を入れて貰う場合、家賃の値上げを要求されたりするので、それなら自分の好きな物を買った方が良いように思います。

仲介手数料、その他費用は？

不動産会社を利用した場合、一般的な費用は以下の通りです。

• 仲介手数料：家賃の１ヶ月分（家主と借主で半分ずつ負担する）
• 敷金（預け金みたいな物）：家賃の２ヶ月分
• 初回の家賃1ヶ月分
• 契約書の印紙税(HK$300くらい)

つまり最初に契約する際に家賃の3.5ヶ月分＋αくらい必要ということになります。香港の家賃は高いので結構な負担になります。

その他、部屋の改修など注文を付ける場合は交渉次第で実費を負担させられる場合もあるかも。さらに、細かいかとをいうと、香港の大家さんは一般的に部屋の掃除をしてくれないため自分で手配する必要がありこれにHK$3～500くらいかかります。

契約期間は？

通常、２年契約で１年以上住めば退去の1ヶ月前に申告すれば退去可能です。また、一月分の家賃を払えばすぐにでも退去可能です。それとは別に１年以下で退去する場合は、↑で預けた敷金を放棄すれば退去可能です。反対に１年以上住んで退去する場合は敷金は返してくれます。

１年経過時に家賃更新があったりして高い家賃を要求されることもしばしばで、場合によっては家賃20%UPなんてことがザラにあると言われています。恐ろしい・・・

それと退去に関して。
自分が希望する場合、契約から1年が経過していれば1ヶ月前の申告で退去できるのですが、同様に大家さんからも1ヶ月前の告知で追い出されることがあります。

僕は今回このパターンで追い出されたのですが対等な契約ってことらしいです。日本のように立ち退きの費用を貰ったりも出来ないので、こういうことがあると余計な出費がかさみます。。。

部屋の状態は？

サービスアパートメントの場合、家具・家電付が一般的で着替えなどをトランク一つくらい持参すればすぐに住み始めることが出来ます。駐在で来るならこれはホントに便利。その代わり家賃は高いけど・・・

一方、一般的なアパートの場合、部屋の設備はまちまち。
イメージ的にはエアコンと照明関係、ガスコンロくらいは最低限付いていますが、洗濯機や冷蔵庫は無かったりすることがあります。

また、一般的なアパートの場合、現状渡しが多く、総じて部屋はあまりキレイでは無いことが多いので、入居前に自力もしくは外注して徹底的に掃除する必要があります。香港には時給で働いてくれるハウスメイドが居ますので不動産会社に聞いてみると良いと思います。

契約は即断即決

契約は即断即決を求められます。
特に条件の良い部屋はとても回転が速いため、今日空いてても明日には埋まっているということは結構ザラ。良いと思ったら、すぐに大家を呼んでその場で決断みたいな感じです。

そして部屋が気に入って決めようと思ったら仮契約を行います。
仮契約時の手付け額はだいたい家賃の1ヶ月分になっているようです。

もし他に良い部屋を見つけて正式な契約前にキャンセルしたい場合は、この手付金を放棄すればキャンセル可能。また、大家の都合でキャンセルする場合は手付け金の２倍を返してくれます。

不動産情報サイトは当てにならない

香港にも日本と同じく不動産情報サイトがありますが、これが全くといっていいほど当てになりません。ほとんどがいわゆる「釣り広告」で、実際に問い合わせると「あぁ、あの部屋はもう契約になっちゃった」とか。

釣り広告のため家賃もずいぶん安いのですが、多くの場合そんな部屋はありません。
このため、相場をチェックしたつもりで出向いても、希望に合う部屋が全然無いとか普通なので、不動産情報サイトはあまり当てにしないようにしましょう。

また、不動産業者の店頭に貼ってある張り紙もほぼアテになりません。。。

田舎でも意外に家賃は高い

面白いことに香港では田舎に行っても劇的に家賃が下がったりはしません。僕は馬鞍山という田舎の方に住んでいるのですが、ホンハム辺りで部屋を借りるのと変わらないばかりか、土爪湾辺りに較べると馬鞍山の方が高いという不思議な状態です。

交通の便が悪いために時々安いエリアがある他、モンコック辺りだと市街地にもかかわらず建物が古いため極端に家賃が安かったりもしますので、油断できません。家賃重視なら、何かを一つ大幅に諦めるとグッと節約できます。

反対に馬鞍山くらい田舎でも便利さを追求して駅近に住んだりすると都心部とあまり変わらなかったりするので、何を重視して何を切り捨てるのかをはっきり意識してエリアを決める方が良いように思います。

まとめ

深センと違って香港は英語が通じるのである程度なれた方ならサービスアパートを出ても問題ないかと思います。

が、不動産会社は良くても大家さんが英語を話せないこともあるというか、僕の前の大家さんは全く英語が話せず、こういう場合はちょっと困ります。こういった時にも日系の不動産会社は助けてくれるので、利用する価値はあるのかも・・・？

あと、ときどきローカルの不動産会社に日本人の社員や日本語が話せる香港人が居たりもしますので、そういう方を見つけるというのも一つの手かなと。

おまけ

香港人が引っ越しの際に行うというお祓いの儀式があります。
空室中に家に住み着いた悪いものを払う作業らしいのですが、ビジネスが上手くいったり健康に過ごせたり、よく香港でありがちな「何でもあり」な御利益が望める上、お金を掛けず自力で出来ますので、興味のある方は以下の記事を参考にしてください。

• 香港での引っ越し時のお祓いの儀式